2015年2月7日土曜日

“おおかんけ”


 「おおかんけ!おおかんけ!お稲荷さんのおおかんけ!」冷たい雨が降りしきる中、元気なこどもたちの歌声が猫実の商店街に響き渡りました。
 これは、漁師町だった堀江・猫実地区に古くから伝わる「大勧化」という伝統行事で、毎年初午の日に行われています。昭和30年代に一時中断されていましたが、猫実四丁目自治会が、こどもたちの体験学習や地域の多世代にわたるコミュニティの形成を目的として、平成13年に40年振りに復活させたものです。
 こどもたちは、お稲荷様の幟を担いで家々に押し寄せ、たくさんのお菓子をもらって、商売繁盛を願って回りました。
 地域のご年配の方々は、お菓子をもらうために無我夢中で歩き回った当時の自分を思い出したのか、目を細めてその様子を見守っていました。

 かつて こどもたちは、兄弟姉妹のほか異年齢のこどもとの遊びや様々な地域の活動を通して無意識のうちに社会を学びました。こどもの数が減り、貴重な学習機会が失われつつある現在において、こうした自治会の取り組みは、大変意義のあることだと思います。
 浦安市の少子化対策が功を奏し、近い将来、再び地域にこどもが戻り、賑やかな笑い声で満ち溢れる日が来ることを瞼に浮かべながら帰路につきました。